One Sweet Day

彼に出会ったのは、ＳＭのコミュニケーションサイトだった。
そこに、かれこれ１年くらい前から
登録はしていたのだけど、
まぁ、中々良い出会いと、私のテンションが合致せず
チャットとかメールとかで
雑談をするのが日課だった。

あまり焦ってパートナーを見つける気なんて
更々なかった。

ちょうど年度末で仕事ばかりしていた頃
チャットで彼に出会っていたらしい。
仕事の愚痴をボチボチ吐き出して、
あまり当たり障りなく会話した。

仕事の話も出来るって事は
悪い感じじゃなかったんだと思う。
その時のことはあまり覚えていない。


夏になって、そのサイトに
また頻繁に出入りするようになった頃
再び 私のチャットルームに彼が来た。
色々話していて、すごく感じも良くて
話をしていてとっても楽しかった。

そこのサイトには２ショットチャットもあったので
そこでゆっくり。。。３時間も語ってしまった。

そんなことを数日繰り返して
「毎日こんなにお話しするなら、飲みに行きます？？」
って誘ってみた。
別に、彼とＳＭするとかそういうんじゃなくて
単に会って話がしてみたかった。

センスが似ているから。
会話の駆け引きとかも、似ているから。


私はそのサイト内で、過去に一人だけ
実際に会って食事をした人がいた。
「ノーセックスルールで会いましょう」
初めて聞いた言葉だったけど、妙に安心出来た。
だから、彼にも＜ノーセックスルール＞を提案した。

高層ビル群のホテルにある
最上階のバーで、お酒を飲んだ。
そんな所に行くのは初めてで、何だか緊張した。

彼はやっぱりお洒落だった。

でも、絶対に可愛らしい一面を持っているはず

って確信した。だって、夜景を見ながらお酒を飲んで
口説こうなんて、ベタで可愛らしいじゃない♪
彼のセッティングに、くすぐったさと嬉しさを感じた。


私は良く喋った。
相手のことを知るには、自分の事を知ってもらうのが一番だと
そう思っているから。
それに、沢山の情報を与えることで、
本当に知られたくない部分は、隠すことが出来るから。

そうやって、バーで４時間も語って
彼に口説く隙を与えずに
その日はさようなら。

ノーセックスルール。
約束は守ってくれたから、信じてみても良いかな。。。
そう思った。

ちなみに、万が一そこで襲われたら
もう２度と会わなければ良いだけ。
それくらいの覚悟は持ち合わせますよ。

「ノーセックスルール」
１．会ってもセックスはしない
２．人の多い公共の場で会う
３．個室には入らない
４．自分の土地勘のある場所で会う